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経営をデザインする (知財のビジネス価値評価)

企業がユーザの多様な価値観に訴求するためには次のようなことが期待されるとして、知財が企業の価値創造メカニズムにおいて果たす役割的確に評価して経営をデザインするためのツール(経営デザインシート)やその活用事例等を紹介しています。

シート作成例(仮想事例)

刃物メーカのハサミ製造技術を応用したネイルニッパ製造・販売への進出

我が社は手作りの高級理美容用刃物の提供を通して、人々の美の追求に貢献することを企業理念とする、年商2億円の刃物メーカである。

研磨技術と刃の噛合せ角度特許、並びに外部の鍛造職人との連携によって製造した我が社の理美容業界用ハサミは、長時間の使用でも疲労が少ないまま切味を維持でき、研ぎに出す頻度も少なくて済むという評判が国内外のトップスタイリストの間に確立され、海外では模倣品が出回るほどである。

しかし、外国製の安価なハサミの大量流通によって理美容業界用ハサミ市場は飽和気味で、このハサミ製造の核心的技術が5年後に特許期限切れを迎えることも踏まえ、従来の理美容用ハサミの製造販売にこだわらず、培ってきた技術も活かせる事業展開をしていく必要がある。

他業界に目を向けると、若年女性を中心にネイルブームが見られ、高級ネイルサロンではサービス価格の多寡よりも仕上がりの良さが成功の鍵であるという。

しかし、現在流通しているネイルニッパは安価で使い捨てであるが切味が悪く、長期的総合的に考えると切味の良い高級ネイルニッパを研ぎ直しながら継続使用する方がネイルサロンにとっての経営効率が高いことが判明した。ハサミ技術を応用すれば、ネイルの仕上がりが良くなるだけでなく、ネイル加工に要する時間も短縮できるため、ネイルサロンユーザの満足度も上がるネイルニッパを製造できることもわかった。この他、自分でネイルアートを行うセルフネイル流行の兆しがある。

そこで、現在、一丁 10 万円で年間 2,000 丁出荷しているハサミに加え、来年度中に、培ってきた技術も活かせる高級ネイリスト向けのネイルニッパの製造・法人リース及び美容意識の高い女性向けリテールに進出し、2020 年には、以下の姿になることを構想している。

  • ネイルニッパを一丁 5 万円・年間 500 丁を高級ネイルサロン等にリースする(業界ではリースはほとんど行われていないが、リースにより、ユーザの使用感のフィードバックを得やすくするとともに取引関係の安定化を図る)。
  • 高級ネイリストからのネット口コミ等の拡散により、流行やブランドに意識の高い女性に向けて廉価版をリテール(1丁 5,000 円で年間5,000 丁)。

そのために、トップネイリストへの販売の開拓・確保や、ハサミ製造の技術をネイルニッパに転用する技術等が必要であると考えられる。

事業と環境の現状分析等

経営デザインシート(雛型)

全社シート ・事業シート ・事業が一つの企業用シート
作成補助シート1 ・作成補助シート2 ・作成補助シート3 ・作成補助シート4

首相官邸の政策会議より)