Q.数人で運営している商店ですが、仕入などの高騰で運営が厳しくなったので、他の分野の収入源を確保してみましたが、人を増やしたりしてやはり厳しいです…
A.震災やコロナ禍などの経験を教訓として、小規模事業者にとっての「卵は一つのカゴに盛るな」という格言の意味は重要です。この格言を当てはめると、小規模事業者は(こそ?,も?)、リスク分散のために多角化を考えることが重要となります。ただし、その多角化は本業が十分に成り立った後の余力を利用して行う必要があります。本業がままならない状態で他の事業に手を広げるのは、一時的に収入が増えることがあっても、十分にはできないことを増やすだけで自滅への道をたどる可能性が高まります。
小規模事業者が事業分野を追加する際には、まず本業が安定し成長していることが大前提です。本業が軌道に乗っていない状態や、長年継続しても厳しい状況で、他の事業に手を出すと、リソースや労力が分散され、全ての事業が振るわない可能性が高まります。事業分野の追加は、本業の余力がある状態で行われるべきです。
また、異業種に手を広げる際には、それぞれの事業が実質的な関連性を持ち、シナジーを生み出すことが重要です。事業内容に具体的な関連性のない異業種に進出すると、各事業の現実的な利益での相乗効果が期待できず、個別に労力を要する結果となります。これでは効率的なリソース活用や成長の実現が難しくなります。屏風を広げ過ぎてしまい、結果的に労力を分散してしまい成果を上げることができなくなってしまいます。
「屏風(びょうぶ)は広げすぎたら倒れまっせ。」とは？
大阪商人の諺で、屏風の角度を広げ過ぎると倒れてしまうように、商売も手を広げすぎると失敗するという意味。
小規模事業者にとって重要なのは、多角化を検討する際に本業の安定性を確保し、関連性のある事業展開を行うことです。本業が成り立っていない状態や関連性のない異業種に手を広げることは、自滅への道をたどる結果となる可能性が高いです。異業種展開を行う場合には、労力やリソースの効果的な共有や相乗効果の追求が重要です。
小規模事業者にとっては、経営資源や時間が限られているため、より戦略的なアプローチが必要です。多角化を検討する場合は、事業間の相乗効果を最大化することや、リソースの効果的な共有を重視することが重要です。また、市場の変化や需要の変化に柔軟に対応できるよう、事業ポートフォリオを見直す必要もあります。
総じて言えることは、単に多角化するだけでなく、関連性のある事業展開を考えることが重要であり、異業種に散在することは労力の無駄遣いとなる可能性があるということです。小規模事業者は自身の強みを活かし、戦略的な多角化を行うことで、リスク分散と成長を実現することができるでしょう。
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