商業集積の基本的役割としくみ

657e9cb0ca6dd6d577d743e1472eeefb_s規模、周辺業者、商圏の特徴等を、単独商店、その他の商業集積との関わりを比較してみましょう。

自店の地域的な存在意義や商品展開、世の中の移り変わりによる編成を考えるうえでの基礎的情報となります。

①中小小売業の現状と役割

  • 定義 中小企業基本法
    資本の額又は出資の総額 常時使用す従業員数
    製造・建設・運輸業等 3億円以下 300人以下
    卸売業 1億円以下 100人以下
    サービス業 5千万円以下 100人以下
    小売業 5千万円以下 50人以下
  • 現状 (小売業)商業統計調査による2009年度年間販売額135兆円(全国)
    事業所規模 就業者数 全体に占める割合 対2002年
    大規模 50人以上 1% 38%減少
    中規模 5人~50人以下 30% 99% 10.5%減少
    小規模 4人以下 70%弱 6.4%減少
    2人以下が44%(零細小売店/パパママストア)
    増減:1982年をピークに減少。
  • 中小小売業の活性化
    チェーン組織への加盟

    経営資源(ヒト,モノ,カネ,情報)の脆弱さ → 事業所数や販売額の減少

    チェーン組織(VC,FC)への加盟による経営基盤の強化
    ※加盟事業数の93%が就業者数20名未満の小売業
    チェーン組織 単独経営
    高度、効率的、競争力がある 試行錯誤と独自ノウハウ
    自由裁量が低い 自由裁量が高い
    ロイヤリティが高い ロイヤルティが低い
  • 品ぞろえの専門化
    品ぞろえの総合化 総合的品揃えの危険性とは
    「いろいろあるが、買いたいものが無い」
    顧客の絞込、品ぞろえの専門化 より大きな顧客満足
    商圏を広域に設定する必要性
    ※商品の特性や立地条件なども勘案しながら専門化の分野や度合いを検討する
  • 業種店から業態店へ
    商品ありき” から ”顧客ありき” へ
  • 顧客満足を増進するきめ細やかなサービス
    大型店が対応しきれない部分でのひと手間が顧客満足を増進する
  • ITの活用
    インターネットの活用によって、商圏を無限大に拡大しうる可能性
  • 中小小売業の役割と特徴
    期待されるポイント
    1. 地域社会への貢献
    2. 地域の消費者の店舗選択範囲の拡大
    3. 地域の消費者とのコミニュケーション機能
    1. 地域密着性が強い
    2. 地場産品の品ぞろえ
    3. なじみ客の生活状況を把握した御用聞き

②商業集積の変遷

商店街

  • 自然発生的商業集積という。
  • 歴史的な経緯から自然発生的に形成されたもの。
  • 近年は新業態の開発などによって衰退傾向。
    繁盛している 1%
    横ばい、衰退の恐れ 33.4%
    衰退している 44.2%
  • 来店者が増加している商店街の取組は「営業時間の延長」。 ※商店街実態調査による
  • 問題点(商店街実態調査) ・高齢化に伴う後継者難 ・魅力のある店舗が少ない ・核となる店舗が無い…など
  • 商店街の形態など
    商店街の形態と割合
    非法人 任意団体 70%以上
    法人 商店街振興組合 16%
    事業協同組合 8%

ショッピングセンター(SC)

  • 計画的商業集積という。
  • デベロッパー(開発業者)が、計画的に商業集積を造成したもの。
  • ひとつの単位として、計画、開発、所有、管理運営される商業・サービス施設の集合体。
  • 米国のSCの年間総売上高は2兆ドルで、これは小売業全体の販売額の85%を占める。

商業集積の種類

  1. 商店街の種類と特徴
    商店街の分類 商圏人口 立地 交通 購買動向の特徴
    近隣型商店街(57.4%) 地元1万人程度 徒歩、自転車 最寄品中心
    地域型商店街(30.9%) 10万人程度 大都市周辺 小都市中心 徒歩、自転車、バス 買回品に最寄品が混じる
    広域型商店街(5.3%) 20万人以上 県庁所在地などの都市中心部 買回品中心
    超広域型商店街(2.0%) 100万人以上 政令指定都市の都心部 遠距離からも来街、買回品中心
  2. ショッピングセンター(SC)の種類と特徴 ・テナントミックス: 小売業、サービス業、飲食業の各分野において、業種、店舗規模、売上予測などをこうりゅに入れて計画的に店舗を配置する。
    SCの分類 核店舗 テナント,商品展開 来店頻度
    • 近隣型SC ネイバーフッド
    • (NSC)
    • 商圏人口 2~3万人
    • 1,500~3,000㎡
    • スーパーマーケット
    • ホームセンター等
    小規模で日用衣料品店、家電店、飲食店など、最寄品中心 週に2~3回程度の来店頻度。
    • 地域型SC コミュニティ
    • (CSC)
    • 5,000~12,000㎡
    • GMS
    • 小型百貨店 (2以上)
    最寄品だけでなく、買回品の需要にも対応。 衣食住の質的向上の役割を担う。 月に数回の来店頻度。
    • 広域型SC
    • リージョナル
    • (RSC)
    • 15,000㎡以上
    • GMS
    • 百貨店等 (2以上)
    買回り品が中心。 流行品や高級品も提供する。 数カ月に1回程度。
    • 超広域型SC
    • スーパーリージョナル
    • (SRSC)
    • 30,000㎡以上
    • GMS
    • 百貨店など (3以上)
    総合品揃えスーパーと百貨店大型の専門店が複数(3以上)組合せ。 施設内に、映画館、スポーツ関連施設、アミューズメント施設など併設。
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