ストアオペレーションの役割

b09d1aadc5dfd69999ecc90e97e44ab1_s個々のスタッフが、部分的な業務をこなせば良いという意識でなく、ストアを運営しているという意識を持つ。

チームとしての力を高め、また、正確な用語を用いることでストアオペレーションを円滑にする。

①ストアオペレーションの重要性
  • 儲かってるの?損してるの? [BEP/Break Even Point]
    損益分岐点 [売上高 = 経費、利益がゼロ(トントン)状態] を見つける
    損益分岐点比率 [損益分岐点 / 売上高 x 100] で安全率を把握する
  • 安全余裕度
    (売上減少に対する抵抗力) = 損益分岐点売上高 / 売上高
    (例)損益分岐点が2,700万円で、売上高が3,000万円の場合:

    • 2,700 / 3,000 x 100 = 90%

    売上高が10%減少するとトントン → 10%の安全余裕
    ※損益分岐点比率が低いほど売上減少に対する抵抗力(安全性)が高い。

  • 「目標利益」と「売上高」の設定
    (例)

    • 限界利益率 = 限界利益 / 売上高
    • 目標売上高 = (固定費 + 利益) / 限界利益率 ・・・固定費に利益を乗せた式
人件費、福利厚生 60 目標利益が0、トントンの場合
(限界利益率 = 40%

BEP① = F / m

= ( 120 + 0 / 0.4 = 300万円

↑必要な売上:月?週?日?

目標利益が40万円の場合
(限界利益率 = 40%

BEP② = F / m

= (120+40) / 0.4 = 400万円

↑必要な売上:月?週?日?

家賃、駐車場 25
その他費用 20
減価償却費 10
支払利息、手数料 5
上記費用合計(F 120
実際に取扱い商品が定まれば、損益分岐点数量の計算など、販売計画における具体的な考察課題は次々と増えてきます。ここではその前段階として、事業(店舗運営)の全体像把握を優先します。その上で、必要であれば「財務・会計」という分野で勉強するか、専門家を利用することで経営に比重を置くかなど、日々の限られた時間の配分を決定していきます。
  • 利益を向上させるには
    売上を増やすこと
    経営上のロスを減らすこと
    変動費、固定費の双方見直し

    ※現実には経営に固定費という聖域は存在しません。経営者は、固定費という名の費用ですらコントロールすべきです。

  • (参)利益 = 売上 – 変動費 – 固定費 より・・・
    利益が0のとき:
    限界利益 = 売上 – 変動費
    限界利益 = 固定費 + 利益
     (例)売価100万円、変動費60万円の商品は、限界利益40万円
    販売毎に”固定費40万円”を回収
    ・売上高が「(限界利益の総額) = (総固定費にしかならない)」の点 = 損益分岐点

    ※「管理会計の定義」で「財務会計のP/L」には表示されない

  1. 売上が増えない原因
    ①売れる商品がない: 品切れ、発注ミス
    ②売れない状態にある: 販売方法の悪さ
    ③売れない商品が占有: 商品寿命が終わりかけ
  2. ロスの種類
    ①作業ロス:非効率な作業による損失
    ②経費ロス:非効率な販売促進や人件費
    ③商品ロス:破損、死筋商品など商品自体の損失
    ④その他ロス:万引き、窃盗
②開店準備業務
  • 開店前の「的確な準備」が、店舗運営を効果的にする
    来店頻度や売上に大きな影響を及ぼすので万全な準備が必要。
  • クリンリネス
    5S 3S 整理 要らないものを捨てる
    整頓 すぐに使える様、定位置に置く
    清掃 拾う、掃く、拭く、磨くといった見た目と衛生面
    清潔 上記3Sを常に繰り返し維持する
    ルール・手順を正しく守る習慣をつける
  • レジ業務の準備 
    1. チェッカー(会計係)の顧客対応の確認
    2. 迅速正確丁寧な金銭授受
    3. FSP(*1)データの収集(確認)
    4. 販売の締めくくり(統一)
    5. 店内ガイド(変更点等)
    6. クレーム対応(最近の事例等)
    (*1) Frequent Shoppers Program (フリークエント・ショッパーズ・プログラム) 顧客に購入量・購入頻度などに応じて段階的に付加サービスを提供することで優良顧客の維持拡大を図る手法。ポイントカードの有無、優待方法など様々な手法がある。
  • 朝礼、ミーティング
  • 外観への顧客の印象 服装や身だしなみは商品や店舗施設と同様な良い店舗かどうかを見分ける判断要素
     55% 38% 7%
    視覚(動作、表情、服装、化粧) 声や声の調子 言葉
    服装 制服が無い 季節感を出す
    店舗や季節に合わす
    自店の「いちおし商品」を取り入れる
    制服が有る 洗濯した清潔なもの
    名札が見る様に着用
    筆記具による胸ポケットのほころび等CK
    白衣の場合:いつでも真っ白に
    女性の場合 ストッキング伝線注意と予備
    ストッキングの色や柄は服や店に合わせ目立ち過ぎず
    大部分が低めのヒールでかかとを踏まず色に注意
  • 身だしなみ
    ①毎日、入浴あるいはシャワーを浴びる。 ②毎朝、ひげをそる(男性)。 食品販売の関係者はつけない。 ③頭髪の手入れをする。 ④洗濯したシャツ・ブラウスを着る。 ⑤化粧は、ナチュラルメイクで品よく。 ⑥爪の手入れを常に怠らない。 ⑦マニキュアは、自店の基準に合わせる⑭ひげは、自店の基準に合わせる。 ⑧髪の色は、自店の基準に合わせる。⑮ピアスは、店の基準に合わせる。 あまり明るすぎる色は避ける。 ⑨きつい香水やオーデコロンは避ける。 ⑩口臭に気をつけ、昼食後にも歯磨きを。 ⑪靴は、毎日磨く。 ⑫スーツ、特にズボンにはアイロンを。 ⑬ヘアスタイルは、あまり奇抜にしない。
  • レシートの役割(情報の記録伝達)
    ①入力明細、②発行番号、③年月日時、店舗コード、④商品番号、⑤商品売価、⑥売価合計、⑦消費税、⑧請求額、⑨預かり金額、⑩つり銭、⑪精算時ナンバー、⑫入力者、⑬入金種と区分、⑭その他
  • クレジット処理
    ①希望支払方法の確認、②売上金額、支配回数等入力とカードスキャン、③承認、④レシート発行とサイン又は暗証番号等(サインはカード署名と照合する)、⑤商品とカード、レシートを渡す
  • レジにおける接客上の留意点
    顧客をいらだたせない 精算の顧客順を間違えない 接客上のんびりしない 留意点(手順ごとに)明瞭な声を出す ごまかさない
 ③発注の基本知識
補注発注とは?…売れた商品を必要な数だけ補注する為に、仕入先企業に発注すること。発注システム(EOS、EDI)

  1.  EOS(Electric Ordering System)
    「補充発注システム」と言われ、店舗と本部間での定番商品の補充発注システムに採用され、その後、企業間を結ぶオンライン発注システムとし発展した。
  2. EDI(Electronic Data Interchange)
    「電子データ交換」と言われ、企業間の商取引で発生する取引データを電子的にやり取りする。「オンラインデータシステム」のこと。
     商品管理サイクル
    販売 品ぞろえ計画 発注
    補充・ディスプレイ 値付け 荷受・検収
④荷受・検収の基本知識
  1. 荷受 メーカーや問屋などの仕入れ先企業から配送された商品の受取のこと
  2. 検収 発注した商品が、全て間違いなく入荷されたかをチェックする作業。欠品や数量不足、不良品の有無、誤納などをかくにんすること
⑤補充(リセット)の基本知識
補充(リセット)作業の原則

  1. 先入れ先出し法 充填要領
    天井 補充・陳列後の状態 天井 ↓後ろから補充していく
    減った部分
  2. 前進立体陳列 商品ディスプレイは、通路側に(顧客から見て手前に)前進させ、手に取りやすい様にする。
⑥売場チェックの基本知識
  • 欠品:顧客が欲しい商品が無ければ信頼を失いかねない
    欠品や品薄が発生する原因

    担当者の発注ミス
    予想外の売れ行き
    仕入先企業の未納や遅滞
  • POP広告とメンテナンス
    POP広告の種類 新商品、日替わり、定番POP
    月間POP、期間POP
    POP広告の書き方 大きく・太く枠一杯に書く、字間に気を配る
    角ペンの使い方(例)ペンを立てたままエッジを使いこなす
    POP広告の添え方 量販品には直ちに貼付する
    ホルダーに入れて商品の中心に配置する
    顧客の目線に横一列に並べる
    価格表示等と重なって隠さない様にする
  • 売場チェックの基本
    売場の維持 遊べる
    楽しい
    買いやすい
  • 品薄状況店内表示物・サイン表示
    公益法人交通エコロジー・モビリティ財団が設置した「一般案内用図記号検討委員会」において作成された「案内の様の絵文字(ピクトグラム)」がある。
⑦包装技術の基本知識
JISの定義

  • 包装
    物品の輸送・保管・取引・使用などに当たって、その価値及び状態を維持するための適切な材料、容器、それらに物品を収納する作業並びにそれらを施す技術又は施した状態。
  • 容器包装
    商品の容器及び包装であって,当該商品が費消され又は当該商品と分離された場合に不要となるもの。
  • 個装
    物品個々の包装で、物品の商品価値を高めるため若しくは物品個々を保護するための適切な材料、容器、それらを物品に施す技術又は施した状態。商品として表示などの情報伝達の媒体にすることもできる。
  • 内装
    包装貨物の内部の包装で、物品に対する水・湿気・光・熱・衝撃などを考慮した適切な材料、容器、それらを物品に施す技術又は施した状態。
  • 外装、二重包装
    包装貨物の外部の包装で、物品若しくは包装物品を箱・袋・たる・缶などの容器に入れ又は無容器のまま結束し、記号・荷印などを施した材料・容器・施した状態。二次包装ともいう。

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