価格決定の方式

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価格設定の基本知識とバリエーション、戦略・戦術について整理しましょう。

また、自店の違法性回避、競合他店の違法販売対策を調べる、比較検討してみることも欠かせない。

価格の設定方法

売価の設定は、コスト面、競争、需要といった市場環境を考慮して行います。主に次の基本的な価格設定方法を元に自店の価格設定を見直してみましょう。

  • コスト価格商品価値(消費者の知覚)

原価に基づく方式

  1. コストプラス方式
    標準利益として「コストと利益」を売価に含む設定であるので、一定の利益が確保できる。




    利益 + コスト
    (標準利幅)
    仕入原価 + (コスト + 利益) = 売価
    仕入原価
  2. 損益分岐点による方式
    損益分岐点分析の手法を用い、総費用に目標利益をくわえて売価をけってする。

マーケットプライス法

地域需要に対応した価格設定方法で、消費者がいくらだったら買うかを見通して設定する。

消費者の立場で「値ごろ感」を考察する
    1. 競争を意識した価格設定法
      競争店の価格を参考に、競争店より安く、あるいは付加価値などで「魅力(強み)」が表現できる価格設定をする。
    2. 消費者評価に基づく価格設定法
正札政策
(通常価格)
誰にでも同じ価格で販売する
端数価格政策 売価の末尾を8,9などの数字にし、心理的に安い印象を与える
段階的価格政策
(階層価格政策)
販売価格に品質や品格によりクラスを設ける
高級品 アッパープライス
中級品 ミドルプライス
普及品 ローワープライス
慣習価格政策 ガムや缶ジュースなど、既に一般的に商品価格が心理的に浸透し、馴染んでしまった価格
名声価格政策
(プレステージ価格政策)
高価格によって高品質を連想させる方法
割引価格政策 通常の価格からいくらか差し引いて販売する
均一価格政策 100円均一、1,000円均一など、原価の異なる商品にも同一の低価格をつける方法
特別価格政策 目玉商品など、特定の商品に著しく安い価格を設定し、来店客数の増加をねらう
見切価格政策 シーズン商品の売れ残りや、不良在庫を売り切るため著しい安い価格を設定する方法

価格に関する諸問題

価格設定は小売店において自由に設定するが、一定の制約がある。違法の問題を含めここで例を挙げてみてみよう。

再販価格 (再販価格維持制度)
特定の商品を転売する際、転売価格を指示し、市場価格が維持されることを目的に行われる制度。
独禁法で原則禁止されている。(新聞や書籍は例外)
二重価格 メーカー希望小売価格やその店の平常価格に対して、その時の販売価格を並べて表示すること。
※著しい価格差、一定期間を超える場合などは、不当表示となる可能性がある。
オープン価格 メーカーが小売希望価格を示せず、卸売業者や小売業者が自主的に販売価格を決定し、その販売価格だけを店頭で表示するもの。
※販売者に価格設定の知識が必要。
単位価格 切り売り、計り売り等、単位売りする換算価格。(○○○円/100g、○○○円/mなど)
※消費者にとって便利だが、販売側に手間(コスト)がかかる。
バーゲン価格 (季節商品、時間限定商品)
通常の価格から大幅に値下げした価格で販売することで、集客効果を高め、購買を増加させる。在庫一掃などで売れ残りを少なくする効果にもつながる。
※効果が実施のタイミングに左右される。

プライスゾーン、プライスライン、プライスポイント

商品品種にあった設定をすることで、顧客にとって商品選択がしやすい環境を作り、アピールしたい商品の売り上げを伸ばすことができる。

  1. プライスゾーン(価格
  2. プライスライン(価格
    ↓ 品種ごとに1、2、の設定から3、の商品をアピールすることで売り上げを伸ばす設定をする。
  3. プライスポイント(値頃)
プライスゾーン、プライスライン、プライスポイント




  • 各商品の価格(線)がプライスライン
  • 300円~900円という全体の幅をプライスゾーン
 プライス
ポイント
↓(値頃)
 600円
 500円  700円
 400円  800円
300円 900円

売価設定の基本知識

その他の価格展開と組合せ

エブリディ・ロープライス(EDLP)
いつでも低価格で販売し続ける低価格志向の価格設
戦略レベルでの価格設定 ハイ・アンド・ロープライス
広告で、特売日や週を設定し商品の売価を上下させメリハリをつける価格設定
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競争店対策 戦術レベルでの価格設定 販売促進効果

  • ロスリーダー価格
  • ワンプライス(単一価格)
  • 一物多価(割引)
  • 戦略 将軍(指揮官)の頭の中にある全体の効果的な勝ち方やルール
  • 戦術 兵士(現場)が武器を持ち繰り返し手、足、体を動かして働く仕事

値下げ(売価の下方変更)とその理由

  1. 商品のキズや汚れ
  2. 売り出し
  3. 競争店の安売りに対抗
  4. 売れ残り商品の処分
  5. 季節替わりの売れ残りを防止
  6. 在庫期間が長い不良在庫処理
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