パレートによる人間の大別
スペキュラトゥールにはスペキュラトゥールなりの将来が、
ランチェにはランチェなりの将来がある。
●スペキュラトゥール(speculateur)
《詳細》
「もうこの辺で十分だ」と打ち切ることなく、どうすればまだこれを変革しうるかと思索(スペキュレート)するあらゆる分野の投機的タイプの人々例:起業家、発明や政治・外交的再編成に従事する人々など
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●ランチェ(rentier)
《詳細》
型にはまった、着実に物事をやり、想像力に乏しく、保守的で、投機的な人々によって操られる側の人々など例:ストックホルダー、バックホルダー[鴨にされる人]
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具体的な場面では?
囚人の思索クイズにあてはめてみる。
- 誰がスペキュラトゥールで、誰がランチェか
- 誰がスペキュラトゥールであるべきか
- 4人は会話できない。
- 白と黒の帽子2つずつどちらか知らされず被っている。
(自分の帽子の色は見れない)- ゲーム開始から10分後に自分は白か黒か答える。
- (最上部)BとCの姿が見える
- (2段目)Cの姿だけ見える
- (最下部)誰も見れない
- (独房中)誰も見れない
質問の2パターン
- チームの人員配置における課題
囚人の内、一人でも自分の帽子の色が分かれば全員が釈放される。
→10分後全員が解放されたが、答えられたのは誰か?
- スペキュラトゥールと、ランチェをどのポジションに配置するかの考察に使われる。
- 答えを導き出せる者を、答えが導き出せる場所に配置しなければ物事は解決しない。
- 誰が自分の帽子の色を知り得る?
自分の帽子の色が分かったら釈放され、間違うと死刑に処される。
- 回答者がスペキュラトゥールと、ランチェのいずれのタイプであるかの判断に使われる。
見え方ヒント
自分の帽子の色を答えられるのは誰でしょう?
答え(2パターン)
《詳細》
- A(BとCが両方白か黒の場合に限り、自分はその反対だとわかる)
又は- B(BとCが異なってることから、Aが判断つかず答えられなとBが気づいた場合、B自身がCの反対だとわかる)
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解説
人の立場になって考えられるかがミソ
《詳細》
- 見えるのはBとCだけ
- BとCが白、又は黒の場合:自分はその逆と分かる→(条件付で正解)
- BとCが、白と黒の場合:自分の色は特定できない(50%)
- 見えるのはCだけ
- Aが答えない場合:BとCはどちらかが白でどちらかが黒でBはCが見える:
(ただしAの答えない理由が上記理由で特定できない場合の条件付)
- Cが白ならBは黒(正解)
- Cが黒ならBは白(正解)
- 誰も見えない(50%)
- 誰も見えない(50%)
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現実社会やトレードでは
組織の全員がスペキュラトゥールである場合と、ランチェである場合、それぞれの組織の将来はスペキュラトゥールたる将来であり、ランチェたる将来となる。
スペキュラトゥールとランチェをどの役職に割り当てるかが問題となる。
Aはランチェで足りるが、Bはスペキュラトゥールでなければならない。BはAがなぜ答えないか(自分たちが釈放されない理由)を時間の流れも含めて判断する能力が必要。
逆の人事配置をしてしまった場合(Bがランチェで想像力に乏しい場合):様々思索を巡らすスペキュラトゥールであるAはBが答えないことに業を煮やす。組織編制において、AとBの配置を間違えることは致命的になることさえありうる。
考えて考えて考え抜く思索家であるスペキュラトゥールの行う業務は業務足りうるが、ランチェの行う業務は作業でしかない。十分な想像力を働かせず「成果を上げていると思う」という状態に願う業績アップや改善はギャンブルに過ぎない。
小さな事業体では
そもそもスペキュラトゥールは弱小な中小企業を選ばず、小さな組織ほどランチェが集まりやすい。
適材適所に導けるよう考え抜き、実行できなければ経営者自身がランチェということになる。
スペキュラトゥールが多い会社が勝つのは明らかで、ランチェの集まりには、もはや明日はない(運?)。
スペキュラトゥールがパレートの法則に近いとすれば、従業員10人の中で2人程…5人に満たない事業体の場合は…
重要なのは
「スペキュラトゥールたらんとして考え抜く」ということ。