DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~

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経済産業省が「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」を公表しました。

あらゆる産業において

新たなデジタル技術によりこれまでにないビジネス・モデルを展開する新規参入者が登場し、ゲームチェンジが起きつつある。

各企業は、競争力維持・強化のために、デジタルトランスフォーメーションDX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことが求められている。

DX の定義 – IDC㈱ –

DXとは、企業が次のように新しい製品やサービス、新しいビジネス・モデルを通して、競争上の優位性を確立すること。

  • 外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、
  • 内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、
  • 第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、
  • ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出する。

現在、飛躍的にデジタルイノベーションを加速、拡大し、IT と新たなビジネス・モデルを用いて構築される「イノベーションの拡大」の時期にあり、企業が生き残る鍵は、次のようなITを強力に生かせるかにかかっている

  • DX を実装する第 3 のプラットフォーム上のデジタルイノベーションプラットフォームの構築において、開発者とイノベーターのコミュニティを創生し、
  • 分散化や特化が進むクラウド 2.0、あらゆるエンタープライズアプリケーションで AI が使用されるパーベイシブ AI、
  • マイクロサービスやイベント駆動型のクラウドファンクションズを使ったハイパーアジャイルアプリケーション、
  • 大規模で分散した信頼性基盤としてのブロックチェーン、
  • 音声や AR/VR など多様なヒューマンデジタルインターフェース

DXレポート

ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開

2025年の崖

多くの経営者が、将来の成長、競争力強化のために、新たなデジタル技術を活用して新たなビジネス・モデルを創出・柔軟に改変するDXの必要性について理解しているが・・・

  • 既存システムが、事業部門ごとに構築されて、全社横断的なデータ活用ができなかったり、過剰なカスタマイズがなされているなどにより、複雑化・ブラックボックス化
  • 経営者がDXを望んでも、データ活用のために既存システムの問題を解決し、そのためには業務自体の見直しも求められる中(=経営改革そのもの)、現場サイドの抵抗も大きく、いかにこれを実行するかが課題となっている

レガシーシステムとは?

コンピュータの分野で、代替すべき新しい技術などのために古くなったコンピュータのシステムや技術などのこと。(Legacy System)

モダナイゼーションとは?

企業の情報システムで稼働しているソフトウェアやハードウェアなどを、稼働中の資産を活かしながら最新の製品や設計で置き換えること。(Modernization)

システム刷新 = モダナイズ

課題を克服できない場合

DXが実現できないのみでなく、2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性がある(2025年の崖)。

システム刷新に要するコスト例

レガシー問題は「潜在的問題」で、メンテナンスを行わず日常的に活用できている間は自覚しづらく、自覚しても、ハードウェア・ソフトウェアの維持限界がこない限り問題の重要性が顕在化しない。

事例①(運輸業):

7年間で約 800 億円をかけて、50 年ぶりに基幹システムを刷新し、運用コストの効率化・生産性の向上につなげる。

事例②(食品業):

8年間で約 300 億円をかけて、30 年以上利用していたシステムを刷新し、共通システム基盤を構築。

事例③(保険業):

約 25 年経過した基幹系システムを、経営陣のプロジェクトのもとで、4~5年で約 700 億円をかけて、IT システム刷新を断行。

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