(3)マスタリーラーニング

達成度を測りながら進める

57a884366e36cfbb81ff8a2687430dc1_s 双方向のリアルなプレゼンテーションにはビデオやelearningなどと異なる、リアルならではの情報が多く詰まっています。最近はネットでも双方向のプレゼンが可能になりましたが・・・

  • 表情による暗黙のコミュニケーション
  • 行動がメッセージと共に及ぼす影響(メラビアンの法則[2]感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたときの人の受けとめ方について、人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかというと、話の内容などの言語情報が7%、口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合であった。この割合から「7-38-55のルール」とも言われる。「言語情報=Verbal」「聴覚情報=Vocal」「視覚情報=Visual」の頭文字を取って「3Vの法則」ともいわれている。-Wikipediaより-等)

今回は「聞きほれる上手な話」というのではなく、確実に成果を上げるための(上げなければならない)マスタリーラーニングについてです。情報の送り手と受け手が「相互に作用する」ことで理解を深め、その効果を高めるために「処方的進行」を行う準備についてです。

「マスタリー」とは

会議 おとなやこども ここでの「マスタリー」とは、一定の達成条件目標に到達し、実際の環境で活用できるようになることです。かろうじて目標を満たしているとか、目標は満たしているものの、かなり四苦八苦しているという一定基準未満の達成度は、「マスタリー」とは言えません。

何かの技能を修得するという場面、つまり5つのカテゴリーhttps://ccm.jp/?p=2633)での「スキル」の場合は・・・

適度な余裕を持って、何度でも同様の動作でスムーズにできる状態のことです。この「できる(た)」という実感が「楽しい」という感情を生み、繰り返そうとする「欲」となり上達へとスパイラルアップ[3]spiral-up : 改善が奏効しあって継続的な改良・向上に結びつくこと。「善循環」「好循環」とも言う。-実用日本語表現辞典-します。モチベーション[4]モチベーションとは、人が行動を起こすときの原因、すなわち動機を意味する。組織の中では仕事への意欲を指し、意欲を持つことや引きだすことを動機づけと呼んでいる。 モチベーションが、個々人の意識に関する概念であるのに対し、モラールとは集団的な感情や意識に対して使われる概念といえる。-コトバンク-へとつながるでしょう。

「マスタリー」の具体例(モータースキル)

032943 車の運転では、おそらく皆さん考えなくても自然の流れでエンジンをかけ、ギアをいれ、アクセルを踏み車を発進させることでしょう。

初めての運転を思い出すと、エンジンのかけ方やペダルの位置や踏み具合を確認し、時には家族に聞き…「考えてから」でないとできなかったはずです。免許を持っていてもこれでは運転のマスタリー(マスターした)とは言いません。

「マスタリー」の具体例(知識スキル)

「知識をマスターした」というのも、実際の様々な場面に当てはめることができることを意味します。

車で道路に出て、信号、標識による規制を確認し、それらに沿った運転をするということは、標識などの「意味」を理解していて、その知識を元に正しい判断ができてマスターしたと言えます。何かの学科試験に合格しただけではマスタリーとは言いません。

マスタリーと達成度評価

プレゼンテーションやコミュニケーションの達成度評価を点数で行う場合、満足できる内容か否かは「マスタリーとしての評価」で実施する必要があります。マスタリー評価でない点数は、主観的で曖昧な数値に過ぎないです。

マスタリーラーニング[5]完全習得学習(マスタリーラーニング)とは、ベンジャミン・ブルーム (‘Benjamin Samuel Bloom、1913年2月21日 – 1999年9月13日)や弟子のブロック、キムによって1960年代後半にモデル化された教育方法。BSブルームはアメリカ合衆国の教育心理学者で教育目標の分類化と完全習得学習(mastery learning)の理論を提唱した。とは

096698 参加者全員がすべての目標や達成条件をマスターするシステムのことです。一部は満たしているが、全部ではないというものはマスタリーラーニングとは言えません。

プレゼンテーションやコミュニケーションは、発表や表示という機能だけでなく、時には合意をも形成することが必要条件となることがあります。

マスタリー・ラーニングであることとは、参加者を中心として構成され実行されることを意味します。

マスタリーラーニングの準備と実施

プリント 個々のペースに適応したマスタリーを実現するには、相手のニーズ、能力、そして興味の対象第一の焦点です。事前の情報収集により、全体としてどらくらいの時間を要するかを十分に検討します。

全員が理解するよう願いながら、ただ単に全体に向かって情報を伝えるだけではマスタリーラーニングは実現しません。ひとりひとり個別に、グループ単位の場合はグループごとに注意を払う必要があります。

個々に注意を払うには、コミュニケーション全体が目標志向であることが必要です。何をすべきかあらかじめ明確に説明し、その目標を満たせるようサポートします。未達成である場合に与えるべき教材やレジュメ、処方的指導について準備し、評価の結果から達成状況に応じてそれを提供します。

それにはシステムとして、目標を概説し、その条件を満たすことへ向けて的確に導くインストラクション・ツールや教材を準備しておきます。目標に焦点を絞り、場面に合った補助となるアイテム(教材等)を使用することで、内容を効果的に伝え、必要な繰り返しを行うことでマスタリーを高めることができます。

今回のまとめ

  • マスタリーとは: 目標や一定基準で熟達し、その能力を活用できるようになること
  • マスタリーラーニング: 全員がすべての目標や一定基準を満たすということ
  • 未達成時は: あらかじめ準備しておいた与えるべき手段で情報提供する

次回は…

【次項】ひとりひとりのニーズに焦点を絞ることができるという利点を持ったインストラクションシステムについて。

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注釈   [ + ]

1, 5. 完全習得学習(マスタリーラーニング)とは、ベンジャミン・ブルーム (‘Benjamin Samuel Bloom、1913年2月21日 – 1999年9月13日)や弟子のブロック、キムによって1960年代後半にモデル化された教育方法。BSブルームはアメリカ合衆国の教育心理学者で教育目標の分類化と完全習得学習(mastery learning)の理論を提唱した。
2. 感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたときの人の受けとめ方について、人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかというと、話の内容などの言語情報が7%、口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合であった。この割合から「7-38-55のルール」とも言われる。「言語情報=Verbal」「聴覚情報=Vocal」「視覚情報=Visual」の頭文字を取って「3Vの法則」ともいわれている。-Wikipediaより-
3. spiral-up : 改善が奏効しあって継続的な改良・向上に結びつくこと。「善循環」「好循環」とも言う。-実用日本語表現辞典-
4. モチベーションとは、人が行動を起こすときの原因、すなわち動機を意味する。組織の中では仕事への意欲を指し、意欲を持つことや引きだすことを動機づけと呼んでいる。 モチベーションが、個々人の意識に関する概念であるのに対し、モラールとは集団的な感情や意識に対して使われる概念といえる。-コトバンク-




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